ワタクシ、スタイリストの小沢宏と申します。そしてこのブログの第1回から新しい肩書きが増えます。
「エディストリアルストア店主」。そうです、店を始めるんです。そこで、当ブログではお店を作る過程のこんなこと、あんなことをなるべくリアルに事細かにお伝えしたいと思っております。
ところで新聞って読んでます?それも日経新聞。経済の専門的なことばっかり書いてある小難しい専門紙と思ってる人が大半だろうけど、差にあらず。これがめっぽう面白い。そもそも新聞自体を読まない人ばかりではあるけれど、世の中の事象を経済を切り口にして論ずることはある種の正解だと思っています。
で、朝刊の最終面が名物企画「私の履歴書」。毎月一人の人生を振り返る企画で、今月は『ヨウジヤマモト』デザイナー、山本耀司がその荒々しい人生を語っています。ヨウジを知らないフイナム読者はいないだろうけど、小沢を知らない読者を沢山いるだろうということで、初回からしばらくは「わたしも履歴書」と相乗りタイトルで自己紹介をさせていただきます。
僕は長野県上田市の生まれ。エディストリアルストアは自分の故郷である上田に出店します。なのではるか昔まで遡って地元時代の話から。小さい頃から服が好きで田舎なりに工夫して買い物してた気がします。中学校の愛読雑誌は『メンズクラブ』すぐそのあとに『ポパイ』が創刊されて立ち読みメインで読みふけってました。一度読者投稿欄に僕が送った手紙が掲載されて嬉しかったなぁ。編集部から封筒で返信もあって、独特のポパイ文調で書かれた内容に興奮したっけ。高校生になると夏休み、冬休みに東京に遊びに来て『ビームス』『ボートハウス』『クルーズ』『プレッピー』といったお店に行ってました。今はビームス以外全部なくなっちゃいましたけど。アイビー・プレッピースタイルがブームでロゴ入りスウェットがバカ売れしていた時代。今になって当時を振り返るとビームスだけはロゴブームからいち早く脱却してもっとファッションを追求していってた。だからこそずうっと続いているんだろうけど。
流れ的にはどうしてもそんな東京で暮らしたい、ってことに。なので東京の大学に入学して一人暮らしがスタートしました。あの頃の『ポパイ』はスタイリストという専門職はまだなくて、編集者がモノ集め(リースという言い方もなかった)して自分や仲間たちにスタイリングして、レイアウトも自分でラフ描いて、原稿も書いて・・・と全ての作業を一人の責任でこなしていました。ちなみにこのシステムはポパイ編集部に出入りするようになって初めて知ったわけですが、イチ読者だった10代の頃からそのグルーブ感というか面白味は誌面からビンビンに感じとれていました。
田舎から上京してなんのツテもコネもないのにいつかは自分もポパイで働いてみたい、という、今ならNSCにも入ってないうちからM-1チャンピオンになってやる!ってくらいかけ離れた夢を抱いてました。でも大学3年生、21歳の時にポパイでアシスタントをすることになるわけですが、そこの話は次回にさせていただきます。